プロジェクトマネージャーが忘れてはいけない3つの鉄則
プロジェクト成功の鍵
PMが忘れてはいけない鉄則
- PDCAの最重要ポイントはPである
- 無茶な要求にはNoと代案
- 不測の事態は起きるもの
1. PDCAの最重要ポイントはPである
そもそも、PDCAとは何?
事業の進め方としてよく耳にする「PDCA」というワード。働く多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。そもそもどんな意味なのか認識のすり合わせから始めましょう。
PDCAとは、仕事をどのような過程で回す事が効率よく業務を行えるようになるかという理論のことをいいます。
大二次世界大戦後にアメリカの物理学者ウォルター・シューハートと物理学者エドワーズ・デミングにより提唱された理論で、Plan(計画)・Do(実行)・Check(点検・評価)・Act(改善・処置)の頭文字を取ってPDCAサイクルと命名されました。
(コトバンクより抜粋)
PDCAのサイクルがどこから始まるのか。日本ではDo(実行)とAct(改善・処置)の区別がうまくされず、どちらも「行動すること」として捉えられがちで、PDCAはCheck(点検・評価)から始まると言われることがあります。しかし、PDCAのCheck(点検・評価)とAct(改善・処置)は計画に対する実行状況のCheckと、その結果見つかるズレに対するActなので、サイクルへの入り口はPlan(計画)です。
Plan(計画)の質でサイクルの生死が決まる
Planを入り口とするサイクルに入ったら、続くDo・Check・ActはいずれもPlanで作られた道筋を基準として行動、判断が行われます。Planは、いわば事業・プロジェクトのスタート地点から最終目的地までの地図を用意し、さらに費用と所要時間を比較してルートや移動手段を検討・決定するようなものです。
例えば、旅先で空港からホテルまで自力で移動するとします。チェックイン時刻はあらかじめホテルに伝えてあります。タクシーは高いため予算の都合上使えず、使える移動手段は電車・バス・徒歩のみ。あてにしていた携帯電話などの通信機器は電池切れで、ガイドブックと空港の売店が頼りです。
手元の地図が詳しく、目印が多いほど、移動に迷いがなくなり、道を誤ってもルートの修正が容易になります。想定される所要時間より少し余裕を持たせて計画すれば、多少の交通の乱れがあっても安心です。逆に、手元の情報が少ないと、道に迷ったり、想定外の事態への対処に手間取ってしまうでしょう。
事業やプロジェクトに置き換えても同じです。Planで用意される情報が詳しければ達成手段や必要なリソース・予算・時間が明確になり、それを元にスケジュールが組まれれば、後のDoにおける無理も無駄も抑えられます。Planの段階で揃えた情報と達成に向けた道筋が判断材料となって、Checkで計画とのズレを発見することも、Actで対処したり次のPlanへ繋げたりすることもスムーズになります。
PlanがおざなりにされればDoで脇道にそれやすくなりますし、Check・Actも迅速に行うことができず、最悪のシナリオでは事業やプロジェクトが破綻してしまいます。そして、その被害を受けるのはメンバーであり、PM自身であり、会社であり、取引先等の関係者なのです。
2. 無茶な要求にはNoと代案
無理な計画はモチベーションやパフォーマンスの低下のもと
予算や納期について、取引先や上司から無茶な要求をされることもあると思います。しかし、予備日を削ったり、残業などで無理したりすることになれば、メンバーのモチベーションが下がり、パフォーマンス低下に繋がります。
プロジェクトメンバーにモチベーション高く働いてもらうためには、メンバーにとっても納得感のある計画でなければいけません。目標が明確でないまま進める仕事や、良い品質・成果を上げられるイメージができない仕事は辛いものです。
目標に対して、提示された予算・リソースの範囲内で実現できる最大限を提示し、必要なら代案も出して検討してもらうことが、チームとしてのパフォーマンスを維持するにあたって重要です。
プロジェクト受諾前に情報収集
プロジェクトを持ちかけられたとき、提示された予算とリソースで実現できるかをきちんと判断し、実現困難であれば現実的な落とし所に持っていけるかはPMの腕の見せ所です。
即答したいところですが、安直に「やります!」「できます!」と言って、納期が遅れたり品質や成果が落ちたりしてしまうと報酬や信頼関係に響きます。プロフェッショナルとしての率直な意見を伝えたほうが逆に信頼を得られますし、PMやチーム、会社としての価値を高める結果に繋がるはずです。
まずは目標までの道筋を見積もって、提示された予算とリソースで実現できそうか検討し、懸念事項があるなら、少し時間を貰ってでも情報を集めて判断材料を提供できるようにすると良いでしょう。判断材料を揃えて論理的に説明すれば、よほどの相手でなければ検討してもらえると思います。
3. 不測の事態は起きるもの
計画は入念に、対応は柔軟に
どんなに熱心に事業やプロジェクトに対する要望を聞き出し、詳細に計画を立てても、いつ不測の事態が起こるかわかりません。特に、プロジェクトが大きくなればなるほど関わる人や物が増え、どれほど注意しても何かが起こり、微調整が必要な場面が増えるでしょう。
そんな不測の事態を念頭に入れて、Planの段階での情報収集やスケジュール設定をし、メンバーに周知することが大切なことはいうまでもありません。しかし、不測の事態への対処が迅速にできるか否かはPMとメンバーの綿密なコミュニケーションにかかっています。何かが起きたときに報告しやすい関係を作り、定期的に進捗や情報共有の場を設け、誰が何をしているのか互いに把握できる環境を整えることがDo・Check・Actを進めていく上で不可欠です。
発見された課題に対して軌道修正したり、新しいPlanを立てたり、臨機応変に判断することができるように、必要な情報を集め、蓄積・発信することをチーム内で習慣化できると、一層幅が広がるのではないでしょうか。
情報を集め、組み立てるプロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとして忘れてはいけない3つの鉄則、いかがでしたでしょうか。
プロジェクトと一言でいっても、開発であったり、営業促進であったり、様々なケースがあります。しかし、情報を集め、それらを的確に組み立てて内外に提示する大切さは共通だと思います。
PMとしてすでに活躍している方も、これからPMを目指す方も、一意見として参考にしていただけたら嬉しいです。
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